看護師が転職するとき、住民税の手続きは必要?

看護師が転職するとき、住民税の手続きは必要?

看護師が転職するときも、住民税の手続きが必要になる場合があります。ただし、住民税の納め方が「転職先で給与から引かれ続ける」「退職時にまとめて支払う」「自分で納付書から払う」のどれになるかは、退職日と転職先の入社時期によって変わります。

住民税の手続きの多くは勤務先と自治体が行いますが、本人も退職時の納付方法と、転職先での給与天引きの開始時期を確認しておく必要があります。

看護師の転職で住民税の納め方が変わるケース

住民税の納め方は、主に次の3つです。転職先が決まっているかどうかだけでなく、退職から入社までの期間も関係します。

状況 住民税の主な納め方 本人が確認すること
退職後、間を空けずに転職先へ入社する 転職先の給与から天引きへ切り替えられる場合がある 転職先に住民税の給与天引きを希望することを伝える
退職後、転職先が決まっていない 退職前の給与や退職金からまとめて徴収、または納付書で自分で納付 最後の給与からいくら引かれるか、納付書が届くかを確認する
退職から転職先への入社まで期間が空く 一時的に納付書で納め、入社後に給与天引きへ切り替えることがある 未納分の納期限と、転職先での天引き開始時期を確認する

住民税は、原則として毎年1月1日に住んでいた自治体が、前年の所得をもとに課税します。そのため、転職によって給与が下がったり、退職して収入がなくなったりしても、前年の所得に対する住民税の支払いが残ることがあります。

転職先が決まっている場合の手続き

退職後すぐに転職先へ入社する場合は、住民税を転職先の給与から天引きする「特別徴収」に切り替えられる可能性があります。本人が自治体に単独で申請するのではなく、退職する勤務先と転職先が自治体への手続きを進めるのが基本です。

まず、退職する病院やクリニックなどに、転職先で住民税の給与天引きを続けたいことを伝えます。そのうえで、転職先にも住民税の特別徴収を希望することを伝え、必要書類や手続き方法を確認します。

ただし、退職する勤務先がすでに自治体へ退職の届出を行っている場合や、転職先での給与計算に間に合わない場合は、いったん普通徴収になることがあります。普通徴収とは、自治体から届く納付書などを使って本人が納める方法です。

転職先で確認する内容

  • 住民税を給与から天引きできるか
  • 天引きは何月分から始まるか
  • 転職前の未徴収分をどのように納めるか
  • 納付書が届いた場合、転職先での天引きに切り替えられるか

給与天引きへの切り替えが間に合わない場合でも、納付書が届いたからといって、すぐに二重払いになるとは限りません。ただし、転職先での天引き開始前に納期限が来ることがあるため、納付書を放置せず、勤務先または自治体に確認してください。

転職先が決まっていない場合の手続き

転職先が決まっていないまま退職する場合は、退職時点で残っている住民税を、最後の給与や退職金からまとめて徴収されることがあります。また、自治体から納付書が届き、自分で納める場合もあります。

どの方法になるかは、退職する月や未徴収分の金額、勤務先の処理によって異なります。退職前に、次の点を勤務先の給与担当者へ確認しておくと安心です。

  • 最後の給与から住民税がいくら引かれるか
  • 退職後に納付書が届く予定があるか
  • 未徴収分を一括で支払うのか、分けて納められるのか
  • 納付書が届く場合の送付先住所

退職後に住所が変わる場合は、勤務先に新しい住所を伝えるだけでなく、住民票の異動手続きが必要かも確認してください。納付書が旧住所へ送られると、納期限に気づけないことがあります。

退職する月によって一括徴収になることがある

住民税は通常、6月から翌年5月までの給与から分けて天引きされます。退職すると、その後の給与から天引きできなくなるため、退職時期によっては残りの住民税を最後の給与や退職金からまとめて徴収されます。

退職時期 一般的な扱い
1月から5月まで 5月までに天引きする予定だった住民税を、退職時に一括徴収されることが多い
6月から12月まで 残りの住民税を一括徴収するか、納付書で納めることが多い

1月から5月までの退職では、原則として残りの住民税を最後の給与などから一括徴収する扱いがあります。ただし、給与や退職金が不足している場合などは、納付書で納めることがあります。

6月から12月までの退職では、本人の希望によって一括徴収となる場合もあります。実際の扱いは自治体や勤務先の処理によって異なるため、退職月だけで金額や方法を断定しないようにしましょう。

住民税の金額が転職後に高く感じる理由

転職後の給与が下がったのに住民税が高く感じるのは、住民税が現在の給与ではなく、原則として前年の所得をもとに計算されるためです。

例えば、前年に夜勤手当や時間外勤務手当、賞与などが多かった場合、転職後に給与が下がっても、その前年の所得をもとにした住民税の支払いが続くことがあります。これは転職した看護師に限らず、給与所得者全般に当てはまる仕組みです。

退職後に収入がない期間があっても、前年の所得に対する住民税はなくなりません。支払いが難しい場合は、納付期限を過ぎる前に、納付書を発行した市区町村の窓口へ相談してください。

看護師が転職するときの住民税確認手順

転職時は、次の順番で確認すると、未納や手続き漏れを防ぎやすくなります。

  1. 退職する勤務先に、住民税の未徴収分がいくらあるか確認する。
  2. 最後の給与や退職金から一括徴収されるのか、納付書で払うのかを確認する。
  3. 転職先が決まっている場合は、住民税を給与天引きにしたいことを転職先へ伝える。
  4. 自治体から納付書が届いたら、納期限と未徴収額を確認する。
  5. 給与天引きへの切り替えが済んでいるか、転職先の給与明細で確認する。

納付書で支払った後に給与天引きへ切り替わる場合や、勤務先間の手続きの時期によっては、給与明細の表示が分かりにくくなることがあります。支払った領収書や納付記録は、切り替えが確認できるまで保管しておきましょう。

住民税の手続きでよくある注意点

所得税の手続きとは別に考える

住民税と所得税は、どちらも給与から引かれることがありますが、別の税金です。転職時の源泉徴収票や年末調整の手続きだけで、住民税の納付方法まで自動的にすべて解決するとは限りません。

退職したら住民税がなくなるわけではない

住民税は前年の所得をもとに課税されるため、退職後も支払いが続くことがあります。収入がない期間ができる場合は、退職時に未徴収額と納期限を確認し、支払い分を確保しておくことが大切です。

「特別徴収」と「普通徴収」を確認する

給与から天引きされるのが特別徴収、納付書や口座振替などで本人が納めるのが普通徴収です。転職の前後で納め方が変わる可能性があるため、給与明細だけでなく、自治体からの通知や納付書も確認してください。

まとめ

看護師が転職するときは、住民税の手続きが必要になる場合があります。転職先が決まっている場合は、退職する勤務先と転職先に給与天引きの継続を確認し、転職先が決まっていない場合は、退職時の一括徴収や納付書での支払いを確認しましょう。

まずは退職する勤務先の給与担当者に、「住民税の未徴収分はいくらか」「最後の給与から一括で引かれるか」「転職先で天引きへ切り替えられるか」の3点を確認してください。