看護師の転職で試用期間に確認すべきなのは、本採用後との労働条件の違い、評価基準、社会保険の加入時期、試用期間終了後の扱いです。試用期間は一般に数か月設けられますが、法律で一律の長さが決まっているわけではありません。求人票だけで判断せず、雇用契約書や労働条件通知書で確認しましょう。
看護師の試用期間とは?
試用期間とは、病院や施設が勤務態度、業務への適性、知識や技術、職場との適合性などを確認する期間です。同時に、看護師側が職場の業務内容や人間関係、勤務体制を見極める期間でもあります。
試用期間だからといって、雇用契約が成立していないわけではありません。多くの場合は、試用期間中も通常の労働契約が成立しており、期間終了後に自動的に別の契約へ切り替わるというより、「本採用するかどうかを判断する期間」として扱われます。
最初に確認するべき労働条件
まず、試用期間中だけ条件が変わる項目がないかを確認します。特に看護師の転職では、給与や夜勤の開始時期が本採用後と異なることがあります。
- 試用期間の長さと開始日・終了日
- 試用期間の延長条件と、延長できる期間
- 試用期間中の基本給、手当、賞与、昇給
- 夜勤、オンコール、残業の開始時期
- 配属先や担当業務が本採用後に変わるか
- 休日、勤務時間、夜勤回数
- 通勤手当、住宅手当、資格手当などの支給条件
- 試用期間終了後に本採用されない場合の扱い
「月給」と書かれていても、基本給と固定手当の内訳が分からなければ、求人票や面接時の説明だけで判断しないことが大切です。試用期間中に給与が下がる場合は、金額と適用期間を確認し、書面に記載されているかを見てください。
試用期間の長さと延長条件を確認する
試用期間の長さに一律の決まりはありません。ただし、期間が長すぎたり、延長を何度も繰り返したりすると、転職後の生活設計に影響します。
雇用契約書などで、次の点を確認しましょう。
- 試用期間は何か月か
- 延長されるのはどのような場合か
- 延長の判断者と、本人への通知方法
- 延長後の終了日
- 延長中に給与や手当が変わるか
「勤務状況によって延長する」とだけ書かれている場合は、どのような勤務状況を指すのか、延長期間はどれくらいかを採用担当者に確認しておくと安心です。
看護師ならではの確認点は「夜勤」と「業務範囲」
看護師の試用期間では、夜勤にいつから入るのか、独り立ちまでの教育体制があるのかを具体的に確認してください。夜勤回数や夜勤手当が、本採用後と同じかどうかも重要です。
次のような点を面接や入職前に聞いておくと、入職後の認識違いを減らせます。
- 日勤での研修期間と、夜勤開始の目安
- 夜勤に入る前のチェック項目や合格基準
- プリセプターや指導担当者の有無
- 電子カルテ、採血、注射、人工呼吸器などの業務研修
- 経験年数や前職の診療科によって業務範囲が変わるか
- 試用期間中に配属先を変更される可能性
「経験者だからすぐ夜勤」「未経験の業務も現場で覚える」といった説明だけでは、負担や教育内容を判断しにくいものです。夜勤開始の条件、指導者、独り立ちの判断方法を具体的に確認しましょう。
社会保険と雇用保険は試用期間でも確認する
試用期間中だからという理由だけで、社会保険や雇用保険の対象外になるとは限りません。加入条件を満たす場合は、試用期間の開始日から加入する扱いになることがあります。
確認する項目は、健康保険、厚生年金、雇用保険の加入対象かどうか、加入日、給与からの控除開始時期です。正職員として継続して勤務する予定であれば、試用期間中も加入対象となる可能性が高い一方、勤務時間や契約期間などによって判断が分かれます。
「社会保険は本採用後から」と説明された場合は、なぜその扱いになるのか、加入条件を満たしていないのかを確認してください。制度の適用は雇用形態や勤務時間などによって変わるため、職場の説明だけで判断できない場合は、年金事務所やハローワークなどの公的窓口に相談できます。
本採用されない場合の扱いを確認する
試用期間の終了時に本採用されない可能性がある場合は、理由や通知方法を確認しておきましょう。試用期間中であっても、病院が自由に理由なく解雇できるという意味ではありません。
試用期間は、職務への適性などを確認するための期間として扱われることがありますが、本採用拒否や解雇には合理的な理由が必要です。また、解雇予告や予告手当の扱いは、雇用期間や勤務日数などによって異なります。特に、試用期間の開始から14日以内は解雇予告に関する扱いに例外があるため、突然退職を求められた場合は、通知書や雇用契約書を保管して、労働基準監督署や労働相談窓口へ確認してください。
なお、最初から契約期間が決まっている有期契約の場合は、試用期間の終了と契約更新の判断が別に行われることがあります。「本採用されるか」だけでなく、契約期間、更新の有無、更新判断の基準も確認が必要です。
入職前に書面で確認する手順
口頭説明と書面の内容が違う場合は、入職を急がず、採用担当者に確認しましょう。確認の順番は次のとおりです。
- 雇用契約書または労働条件通知書を受け取る。
- 試用期間の長さ、給与、手当、勤務時間、休日を求人票や面接時の説明と照らし合わせる。
- 夜勤開始時期、教育内容、配属先、業務範囲を確認する。
- 社会保険と雇用保険の加入日、給与からの控除時期を確認する。
- 本採用の判断基準、試用期間を延長する条件、契約終了時の扱いを確認する。
- 説明された内容に変更があれば、修正後の書面を受け取って保管する。
質問するときは、「試用期間中の給与はいくらですか」だけでなく、「基本給と手当の内訳、本採用後との差額、差額が変わる日」を聞くと、条件を比較しやすくなります。
条件に納得できないときの判断基準
試用期間中の条件が本採用後より低いこと自体だけで、直ちに不適切とは判断できません。重要なのは、条件の違いが事前に説明され、書面に明記されているか、延長や本採用拒否の基準が不明確ではないかです。
次のような場合は、入職前に追加説明を求めましょう。
- 試用期間の終了日が書かれていない
- 給与や社会保険の扱いが口頭説明と書面で違う
- 延長期間や延長条件が決まっていない
- 夜勤や残業の開始時期が不明確
- 本採用されない場合の理由や手続きが説明されない
- 採用後に求人票と異なる業務や勤務条件を提示された
確認した内容は、メールなど記録が残る方法で問い合わせておくと、後から条件を確認しやすくなります。納得できないまま退職届や新しい契約書に署名するのではなく、まずは修正や説明を求めてください。
看護師の転職で試用期間を確認するときは、期間、給与、夜勤・業務範囲、保険の加入日、本採用の判断基準を雇用条件の書面で確認することが基本です。特に「試用期間だから」という説明だけで条件をあいまいにせず、入職前に不明点を具体的に質問しましょう。







