看護師が転職しても、住民税がなくなるわけではありません。住民税は原則として前年1月から12月までの所得をもとに計算され、転職後の給与から天引きされるか、自分で納付します。
転職時に確認するポイントは、退職日、次の勤務先が決まっているか、住民税を給与から引き続き天引きできるかの3つです。
看護師の転職後に住民税を払う方法
転職後の住民税の支払い方法は、主に次の3つです。
| 方法 | 内容 | 主なケース |
|---|---|---|
| 転職先で特別徴収 | 転職先の給与から毎月天引きされる | 勤務先が手続きを引き継ぐ場合 |
| 普通徴収 | 自治体から届く納付書や口座振替で自分で払う | 転職先で天引きがすぐ始まらない場合 |
| 退職時に一括徴収 | 退職時の給与や退職手当から残額をまとめて払う | 退職時期や本人の希望などが一定の条件に当てはまる場合 |
「特別徴収」は給与からの天引き、「普通徴収」は納付書などによる個人納付を指します。転職後にどの方法になるかは、退職日や転職先の手続きによって変わります。
退職した時期によって住民税の扱いは変わる
住民税は通常、6月から翌年5月までの期間に分けて納めます。退職した月によって、退職時にまとめて徴収されるか、後日自分で払うかが変わります。
6月から12月に退職する場合
6月から12月に退職する場合、退職後に支払う住民税の残りは、原則として普通徴収に切り替わります。ただし、本人が希望した場合や、転職先で特別徴収を継続する手続きが間に合う場合などは、別の扱いになることがあります。
普通徴収に切り替わると、退職後に自治体から納付書が届きます。納付書が届いたら、納期限と対象となる税額を確認して支払います。
1月から4月に退職する場合
1月から4月に退職する場合は、未徴収分の住民税を最後の給与や退職手当から一括徴収する扱いが原則です。ただし、給与などが未徴収分に足りない場合や、死亡退職などの場合は一括徴収できないことがあります。
退職時の給与が普段より少なく感じるときは、住民税の残額がまとめて天引きされていないか、給与明細を確認してください。
5月に退職する場合
5月に退職する場合は、現在の住民税の納付期間が終わりに近いため、通常はその月までの給与から天引きされます。ただし、給与の支給日や退職日によって扱いが異なることがあります。
転職先で住民税の天引きを続けられる?
転職先で特別徴収を続けられる場合があります。ただし、前の勤務先と転職先、自治体の間で必要な手続きが行われることが条件です。
転職先が決まっている場合は、退職時に前の勤務先へ「転職先でも住民税の給与天引きを続けたい」と伝えます。前の勤務先が自治体へ異動に関する書類を提出し、転職先が引き継ぎの手続きを行います。
手続きが間に合わない場合は、いったん普通徴収に切り替わることがあります。その場合でも、転職先で特別徴収へ変更できる可能性があるため、納付書を放置せず、転職先の給与担当者または住所地の市区町村に確認してください。
転職先が決まっていない場合は自分で納付する
退職後にすぐ転職しない場合、給与から住民税を天引きできないため、普通徴収になるのが一般的です。
退職後に自治体から納付書が届いたら、納付書に記載された期限までに支払います。住民税は前年の所得をもとに計算されるため、現在無職でも、前年に看護師として得た給与に応じた住民税の支払いが発生することがあります。
退職後に収入が減り、支払いが難しい場合は、納期限前に納付書を発行した市区町村へ相談してください。分割納付などが認められるかどうかは、自治体の判断と個別の事情によって異なります。
転職すると住民税が高くなるように見える理由
転職後に住民税が高くなったように感じる主な理由は、住民税が現在の給与ではなく、前年の所得をもとに計算されるためです。
たとえば、前年に夜勤手当や時間外勤務手当、賞与などを含む給与収入が多かった場合、転職後に給与が下がっても、前年の所得を反映した住民税が請求されることがあります。
また、退職時に数か月分の住民税がまとめて天引きされると、最後の給与の手取り額が大きく減ることがあります。これは住民税の年額が急に増えたのではなく、支払う時期が集中した可能性があります。
引っ越しを伴う転職ではどの自治体に払う?
住民税は、原則としてその年の1月1日に住んでいた市区町村に納めます。1月2日以降に引っ越しても、その年度分の住民税の納付先が転居先へ変わるわけではありません。
たとえば、1月1日にA市に住み、その後にB市へ引っ越して転職した場合、その年度の住民税は原則としてA市に納めます。転職先の勤務地や新しい住所だけで、納付先が決まるわけではありません。
転職時に看護師が確認すること
住民税の手続きを漏らさないため、退職と入職の時期に次の順番で確認します。
- 前の勤務先の給与担当者に、住民税の残額が一括徴収されるか、普通徴収へ切り替わるかを確認する。
- 転職先が決まっている場合は、転職先で特別徴収を続けたいことを入職先の給与担当者に伝える。
- 退職後に納付書が届いたら、対象期間、納付額、納期限を確認する。
- 給与明細で、住民税が天引きされているかを確認する。
- 納付書と給与明細の内容が合わない場合は、前の勤務先、転職先、納付書を発行した自治体に順番に確認する。
転職先で天引きが始まるまでの間に普通徴収の納付書が届くこともあります。特別徴収への切り替えを依頼していても、切り替えが完了するまでは納付期限を確認しておくことが大切です。
看護師の転職と住民税の要点
看護師が転職しても、前年の所得に対する住民税は支払う必要があります。転職後の支払い方法は、転職先で天引きを続けるか、自分で納付するか、退職時に残額をまとめて払うかのいずれかです。
まずは退職する勤務先に住民税の残額の扱いを確認し、転職先が決まっている場合は給与担当者へ特別徴収の引き継ぎを依頼してください。







