看護師の転職で健康保険を切り替えるにはどうすればいい?

看護師の転職で健康保険を切り替えるにはどうすればいい?

看護師が転職で健康保険を切り替える方法は、転職先で健康保険に加入するか、退職後に自分で別の制度へ申し込むかで決まります。転職先の社会保険にすぐ加入する場合は、原則として勤務先が手続きを行います。

退職日の翌日から前の職場の健康保険は使えないため、転職先の加入日まで空白ができる場合は、任意継続、国民健康保険、家族の健康保険の被扶養者のいずれかを検討します。

看護師の転職で選べる健康保険は4つ

退職後の健康保険は、次のいずれかに切り替えます。どれが適しているかは、転職先の加入日、退職前の保険料、前年の所得、家族の健康保険に入れるかどうかで変わります。

選択肢 主な対象 手続き先 確認する点
転職先の健康保険 加入条件を満たして働く人 転職先の勤務先 資格取得日、勤務条件
任意継続 退職前の健康保険を続けたい人 加入していた健康保険者 申請期限、保険料
国民健康保険 勤務先の健康保険や被扶養者にならない人 住民票のある市区町村 前年所得、世帯人数、自治体の料率
家族の健康保険の被扶養者 家族の健康保険で扶養条件を満たす人 家族の勤務先など 収入見込み、家族側の健康保険の基準

転職先の健康保険に加入する場合

転職先が病院やクリニックなどの健康保険・厚生年金の加入事業所で、加入条件を満たしていれば、転職先で健康保険に加入します。正職員だけでなく、勤務時間や勤務日数などの条件によっては、パートや短時間勤務でも加入対象になることがあります。

看護師免許の有無ではなく、転職先との雇用契約や勤務条件によって加入の要否が決まります。採用時に、次の点を勤務先へ確認してください。

  • 健康保険の加入対象になるか
  • 健康保険の資格取得日はいつか
  • 資格情報のお知らせやマイナ保険証の利用開始時期
  • 前の健康保険の資格喪失を証明する書類が必要か

転職先の健康保険の資格取得日が退職日の翌日であれば、通常は健康保険の空白期間は生じません。退職日から転職先の加入日まで期間が空く場合は、その期間を別の健康保険で補う必要があります。

退職日と健康保険の資格喪失日を確認する

健康保険は、原則として退職日の翌日が資格喪失日です。たとえば、3月31日退職なら、前の職場の健康保険を使えるのは原則として3月31日までで、4月1日からは使えません。

有給休暇を消化してから退職する場合は、最後に有給休暇を取得した日ではなく、会社との雇用関係が終了する退職日が基準になります。退職日と転職先の入職日が同じでも、転職先の健康保険の資格取得日がいつになるかは勤務先に確認しましょう。

退職後に前の健康保険の資格確認書などを使うと、後から医療費の保険給付分の返還を求められることがあります。退職後は、前の職場の健康保険が使える日を自己判断せず、資格喪失日を確認してください。

任意継続を利用する条件と手続き

任意継続は、退職後も一定期間、退職前の健康保険を続ける制度です。一般に、退職前まで継続して2か月以上その健康保険に加入していること、資格喪失日から20日以内に申請することなどが条件です。

申請先は、退職前に加入していた健康保険組合や全国健康保険協会です。申請期限を過ぎると、原則として任意継続を選べないため、退職日が決まったら早めに確認してください。

任意継続で注意する保険料

在職中は健康保険料を会社と本人が分担していますが、任意継続では原則として会社負担分も本人が支払います。そのため、退職前に給与から引かれていた金額の単純な2倍になるとは限らず、標準報酬月額や健康保険者の上限額などによって決まります。

任意継続の保険料は、加入していた健康保険者に確認してください。国民健康保険の保険料は自治体や前年所得で変わるため、両方の金額を確認してから選ぶと判断しやすくなります。

国民健康保険へ切り替える場合

転職先の健康保険に加入しない場合や、任意継続を選ばない場合は、住民票のある市区町村で国民健康保険に加入します。原則として、健康保険の資格を失った日から14日以内に届け出ます。

自治体によって必要書類や窓口、オンライン申請の可否が異なります。一般的には、次の書類を用意します。

  • 前の健康保険の資格喪失日が分かる書類
  • 本人確認書類
  • マイナンバーを確認できる書類
  • 自治体が指定する申請書類

資格喪失証明書がまだ届かない場合の対応は自治体によって異なります。退職した勤務先に発行を依頼し、届出期限が近いときは市区町村の国民健康保険窓口へ先に相談してください。

国民健康保険料は退職前の給与だけでは決まらない

国民健康保険料は、自治体、前年の所得、加入者数、年齢などによって計算方法が異なります。退職後に収入がなくなっても、前年の所得を基に保険料が計算される場合があります。

看護師は夜勤手当、時間外勤務手当、賞与などによって前年所得が変わることがあるため、給与明細の健康保険料だけを見て国民健康保険料を推測することはできません。加入予定の市区町村で試算を確認してください。

家族の健康保険の被扶養者になる場合

配偶者や親など、家族が勤務先の健康保険に加入している場合は、その健康保険の被扶養者になれることがあります。ただし、被扶養者の認定基準は健康保険者ごとに確認が必要で、退職前の給与額だけでなく、今後の収入見込みなどが判断材料になります。

失業給付を受ける場合は、基本手当の日額などによって被扶養者になれない期間が生じることがあります。また、健康保険者によって必要書類や収入の確認方法が異なります。

被扶養者を希望する場合は、家族の勤務先を通じて、退職日の翌日から認定できるか、必要書類は何かを確認してください。認定されるまでは、前の健康保険をそのまま使わないようにします。

健康保険を切り替える手順

転職時は、次の順番で確認すると手続き漏れを防げます。

  1. 退職日と資格喪失日を確認する。前の健康保険が使える最終日と、資格喪失証明書の発行方法を勤務先へ確認します。
  2. 転職先の健康保険の加入日を確認する。入職日と資格取得日が同じとは限らないため、勤務先に具体的な日付を聞きます。
  3. 加入日に空白があるか確認する。空白がなければ、通常は転職先の手続きだけで対応できます。
  4. 空白がある場合は制度を比較する。任意継続、国民健康保険、家族の被扶養者の条件と保険料を確認します。
  5. 期限内に申し込む。任意継続は資格喪失日から20日以内、国民健康保険は原則14日以内が目安です。家族の被扶養者は家族の勤務先へ速やかに申請します。
  6. 新しい資格情報を確認する。マイナ保険証を利用する場合も、資格取得日や登録状況を確認し、受診時に資格情報が反映されていないときは医療機関と勤務先へ相談します。

看護師の転職で健康保険を選ぶ判断基準

転職先の入職日から健康保険に加入できるなら、まず転職先の健康保険を確認します。加入まで期間がある場合は、次のように比較してください。

  • 家族の被扶養者になれる:保険料の負担を抑えられる可能性がありますが、収入見込みや失業給付などの条件確認が必要です。
  • 退職前の健康保険を続けたい:任意継続を検討します。申請期限が短いため、保険料を早めに確認します。
  • 家族の健康保険に入れず、任意継続もしない:国民健康保険を市区町村で手続きします。
  • 転職先で短時間勤務をする:勤務時間や勤務日数などによって加入対象かどうかが変わるため、採用担当者に確認します。

退職後に健康保険へ加入していない期間を作ると、医療費をいったん全額負担する可能性があります。転職先の資格取得日が確定していない場合は、退職前に勤務先と転職先へ確認し、空白期間をどの制度でカバーするか決めておくことが大切です。

健康保険の切り替えと一緒に確認したいこと

会社の健康保険から国民健康保険へ切り替える場合、年金も厚生年金から国民年金へ変更する手続きが必要になることがあります。反対に、転職先で厚生年金に加入する場合は、勤務先の案内に従って手続きを確認してください。

また、退職後に傷病手当金や出産手当金を受けている場合、健康保険の切り替えだけでなく、給付を継続できる条件の確認が必要です。受給中または受給予定の場合は、退職前の健康保険者に相談してから切り替えてください。

看護師の転職でも、健康保険の切り替えは看護師資格ではなく、転職先の加入条件と退職から入職までの期間で決まります。まず資格喪失日と転職先の資格取得日を確認し、空白があれば任意継続・国民健康保険・家族の被扶養者を期限内に比較して手続きしましょう。