看護師の転職後に産休・育休は取得できる?

看護師の転職後に産休・育休は取得できる?

看護師は、転職後でも産休・育休を取得できます。産休は勤続年数にかかわらず取得でき、育休も2025年4月以降は「入社1年未満」という理由だけで対象外にはできません。ただし、雇用形態、労働日数、労使協定、子どもの年齢などによって扱いが変わります。

転職直後に妊娠が分かった場合でも、妊娠や出産を理由に産休・育休の取得を拒否したり、不利益な扱いをしたりすることは認められていません。制度の対象になるかを、勤務先の人事・総務担当者へ早めに確認しましょう。

転職後の看護師が取得できる産休とは

産休とは、出産前後に取得する「産前産後休業」です。転職後すぐでも、勤続期間に関係なく取得できます。

  • 産前休業:出産予定日の6週間前から取得可能
  • 産後休業:出産日の翌日から8週間は原則として就業できない

産前休業は、本人が勤務先に請求して取得します。一方、産後8週間は原則として就業できません。ただし、産後6週間を過ぎた後に本人が希望し、医師が支障ないと認めた業務については、就業できる場合があります。

正職員だけでなく、パート、契約社員、派遣社員なども、対象となる労働者であれば産休を取得できます。日雇いの労働者は制度の対象外です。

制度の概要は、厚生労働省「育児・介護休業法について」で確認できます。

転職後の看護師が取得できる育休とは

育休は、原則として子どもが1歳になるまで取得できる「育児休業」です。2025年4月以降は、入社1年未満であることを理由に育休の対象から外すことはできません。

ただし、次のような条件があります。

  • 日雇い労働者ではないこと
  • 子どもが1歳6か月になるまでに、雇用契約が終了することが明らかでないこと
  • 労使協定により対象外とされた労働者に該当しないこと

労使協定によって育休の対象外にできる代表的なケースには、週の所定労働日数が2日以下の労働者などがあります。転職先に労使協定がある場合は、自分の勤務日数や雇用契約が対象外に当たるかを確認してください。

契約社員やパート看護師でも、雇用契約が続く見込みなどの条件を満たせば育休を取得できます。正職員でなければ取得できない、ということではありません。

産休と育休で異なる取得開始時期

産休と育休は、取得できる時期が異なります。出産した女性の場合、通常は産後休業が終わった翌日から育休を開始します。

制度 取得できる時期 転職後の勤続年数
産前休業 出産予定日の6週間前から 問われない
産後休業 出産日の翌日から原則8週間 問われない
育児休業 原則として産後休業終了の翌日から子どもが1歳になるまで 入社1年未満だけを理由に除外できない

男性看護師が取得する場合は、産後休業ではなく育休が中心になります。子どもの出生後8週間以内には、一定の条件で「出生時育児休業」、いわゆる産後パパ育休を取得できる場合があります。

転職直後でも育休を取れるか判断する条件

判断のポイントは、入社からの期間ではなく、雇用契約の内容と労働日数です。次の順番で確認すると、自分が対象か判断しやすくなります。

  1. 雇用形態が正職員、契約職員、パート、派遣などのどれに当たるかを確認する。
  2. 日雇い労働者に該当しないかを確認する。
  3. 雇用契約書で、子どもが1歳6か月になるまでに契約終了が明らかになっていないかを確認する。
  4. 週の所定労働日数が2日以下ではないかを確認する。
  5. 勤務先の就業規則と労使協定で、育休の対象外となる条件を確認する。
  6. 勤務先が指定する期限までに、育休の申出書を提出する。

有期雇用の場合は、現在の契約期間だけでなく、更新の可能性も含めて判断されます。契約更新の見込みが不明なときは、雇用契約書だけで結論を出さず、人事担当者に確認してください。

転職前から妊娠している場合も取得できる?

転職前から妊娠していても、産休の取得を一律に断られるわけではありません。出産予定日から産前休業の期間に入っていれば、転職後の勤務先に申し出て取得できます。

育休についても、転職前から妊娠していたことだけを理由に対象外とすることはできません。ただし、育休の対象となる雇用契約や労働日数などの条件は別に確認が必要です。

採用時に妊娠の有無を伝えなかったことだけを理由として、解雇、雇止め、降格、減給などの不利益な扱いをすることも認められていません。妊娠や出産、産休・育休の利用を理由にした不利益な扱いについては、厚生労働省の育児・介護休業法に関する資料を確認できます。

看護師が転職後に確認したい職場の制度

法律上の産休・育休を取得できても、休業中の給与や復帰後の勤務条件は勤務先によって異なります。入職前または妊娠が分かった段階で、次の項目を確認しましょう。

  • 産休・育休の申出方法と申出期限
  • 休業中の給与、賞与、夜勤手当の扱い
  • 育児休業給付の申請を誰が行うか
  • 社会保険料の免除手続き
  • 復職後の夜勤、残業、時短勤務の扱い
  • 院内保育所や子どもの看護等休暇の利用条件
  • 契約職員の場合の契約更新と復職の扱い

産休・育休中に給与が支払われるか、賞与が支給されるかは、法律上の休業取得の可否とは別の問題です。病院独自の手当や退職金の算定にも勤続期間の条件が設けられていることがあるため、就業規則や賃金規程を確認してください。

申出を断られたときの対応

まず、断られた理由を口頭だけでなく、対象外となる根拠や就業規則の条項で確認してください。「入社1年未満だから」という理由だけで育休を拒否された場合は、2025年4月以降の制度内容と合っているか確認が必要です。

勤務先に再確認しても解決しない場合は、都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)へ相談できます。相談時には、雇用契約書、就業規則、育休の申出日、勤務先からの説明内容を整理しておくと、状況を伝えやすくなります。

看護師が転職後に産休を取得する場合、勤続年数は条件になりません。育休も、入社1年未満というだけでは拒否できません。雇用契約、週の労働日数、労使協定、子どもが1歳6か月になるまでの雇用見込みを確認し、まずは勤務先の人事・総務担当者へ申出方法を確認することが最初の一歩です。